24人に1人の新生児が体外受精によって産まれているという事実
皆さんは「ART」という言葉をご存じですか?
私はこの治療にステップアップして、はじめて知りましたが、
「体外受精」や「顕微授精」などの高度な技術による不妊治療を、
「生殖医療=ART」と言いいます。
自分自身がARTを行う当事者として、きちんと理解をしたかったのと同時に、
現在、日本での「不妊」に関する周知があまりにも低いと感じたので、
多くの方に「不妊」を認知・理解して頂く活動もしているため、
先日、ARTの勉強会に参加してきました!
そこで医師の方や看護婦さんからの説明を受けた内容で、
私の知らなかったことが沢山あったので、
メモ書きしたものをピックアップしてみなさんに共有します!
体外受精の歴史
実は、体外受精による不妊治療は1978年に世界で初めて成功が報告され、
日本では、なんと1983年に最初の成功が報告されたそうです。
なので、日本での体外受精の歴史というのは、
実は33年とまだまだ浅いのです!
ただ、1983年以来、日本ではARTによる不妊治療を開始する施設が
徐々に増加しているとのこと。
日本産科婦人科学会の近年の報告(2013年報告)では、
世界最多の587施設が不妊治療の施設として登録されており、
年間22万件を超える体外受精が日本で行われているというのです!
あんなに待ち時間の長い不妊治療の病院ですが、
世界でみると、日本が最多の施設数だということにはビックリですね。
となると、やはりあの待ち時間は、
それほど患者数が多いのと、それに対応する
医者不足があるのではと感じてしまいます。
24人に1人は体外受精によって生まれている
この数字に驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私は、この不妊治療に進む前まで、
結婚すれば、普通に子供を授かることが出来ると思っていました。
また、この治療をはじめてからも
周りの友人・先輩・後輩達は、スムーズに妊娠に至っていたので、
「私だけ特別そうなんだ・・・」
と、ずっと思っていました。
しかし、調査結果を見てみると・・・
2013年にARTにより誕生した赤ちゃんは、なんと42,554人で、
これは当該年度の総出生児数1,029,800人の4.1%(24人に1人)あたり、
10年前に比べると約3倍に増加しているというのです!
また、日本で体外受精による不妊治療が始まってからの
出生児数累計は38万人を超えており、
人工授精などの一般不妊治療による出生を加えると
その数はさらに増えると言えますね。
この結果からも、実は意外にも多くの方が、
「子供を授かることが出来ない」という壁にぶつかり、
不妊治療に挑んでいるということがわかります。
ただ、不妊治療というのは非常にセンシティブなことなので、
夫や家族以外には言えず、水面下で苦しんでいる方が
沢山いるのだとも思います。
「私だけ・・・」と思ってしまいがちですが、
不妊症というのは、現代では決して
珍しいことではないことがわかりました。
多くの方が未来の我が子に会える日を楽しみに
頑張っているんだなと思うと、
私も頑張ろうという気持ちになりました。
また、この問題はいずれ日本の少子化問題に
大きな影響を及ぼすことになるのは
間違いないなという確信を得たのと同時に、
やはり日本全体で、不妊に対する知識や理解を
広めていかなくてはいけないと改めて強く感じました!
つづく